概要
米国のジョージ・レーン氏が考案したオシレーター系指標です。
英記はStochastics。
過去の一定期間における最高値と最安値に対して、現在の価格がどの位置にあるかを判定する為の指標で%K、%D、Slow%Dの3つの指数で構成されています。
通常はそのうちの2つの指数の組み合わせで局面を分析します。
%Kと%Dの組み合わせがファストストキャスティクス、%DとSlow%Dの組み合わせがスローストキャスティクスです。
0%(ボトム)~100%(ピーク)の範囲で推移するので扱い易い指標です。
主にもみ合い(ボックス)局面での使用を想定した指標です。
トレンド局面では価格が想定した反転ポイントに達しても反転せずにさらに大きく動いてしまうようなことも多々あります。
システムで採用する際には、まずトレンドの有無を確認し、トレンド無しと判定できた場合のみサインを採用する等の工夫が必要です。
計算式
●%K=(当日終値-過去X本の最安値)÷(過去X本の最高値-過去X本の最安値) × 100
●%D={(当日終値-過去X本の最安値)の過去Y本の合計}÷{(過去X本間の最高値-過去X本間の最安値)の過去Y本の合計}× 100
●Slow%D=%Dの過去Z本の単純移動平均
計算式(EXCEL)
活用例
まず、上方ラインと下方ラインを設定します。
一般的には上方ラインを80%、下方ラインを20%に設定します。
●1つの指数と設定した上下ラインとの位置関係を見て仕掛ける手法
%Kもしくは%Dが上方ラインを上抜きした後に上方ラインを下回れば売り、下方ラインを下抜きした後に下方ラインを上回れば買い
●2つの指数のクロスと上下ラインとの位置関係を見て仕掛ける手法
1.ファストストキャスティクスを使用する場合
上方ラインより上のエリアで%Kラインが%Dラインを下回れば売り、下方ラインより下のエリアで%Kラインが%Dを上回れば買い。
2.スローストキャスティクスを使用する場合
上方ラインより上のエリアで%DラインがSLOW%Dラインを下回れば売り、下方ラインより下のエリアで%DラインがSLOW%Dを上回れば買い。
●ダイバージェンスもしくはコンバージェンスの出現を手仕舞いのトリガーとして使用する手法
価格が高値を更新しているにもかかわらずストキャスティクスは下降していく現象(ダイバージェンス)や、
価格が安値を更新しているにもかかわらずストキャスティクスは上昇していく現象(コンバージェンス)は、いずれもトレンドの勢いの低下を示しています。
ですのでダイバージェンスやコンバージェンスの出現を決済のトリガーとして使用します。
●ストキャスティック・ポップ
トレンド局面では価格が想定した反転ポイントに達しても反転せずにさらに大きく動いてしまうことも多いというストキャスティクスの弱点を逆手に取った手法で、ストキャスティクスをトレンドフォロー系指標として使用します。
トレンド局面と判断できた場合のみ、ストキャスティクスが上方ラインを上抜いたら買い、下方ラインを下抜いたら売り。
まとめ
ストキャスティクスに限らずオシレーター系の指標を使用したトレードの場合、うまく波長が合えば仕掛けが早い分大きな利益を上げられる可能性も高いのですが、ちょっと局面が変化して波長が合わなくなってしまうと全く対応できずに大損ということがままあります。
また、
過去どこまで遡るかで現在の価格の位置関係がまったく異なってしまいますから、シストレのメインテクニカル指標としてはストキャスティクス等のオシレーター系指標は採用しずらいというのが運営者の印象です。