チャートパターンは大別すると、下記の2パターンに分類できます。
●コンティニュエーション・パターン(継続パターン):continuation pattern
保ち合い相場でよく見受けられるパターンでパターン形成後も形成前のトレンドが継続する確率が高いフォーメーションです。
●リバーサル・パターン(反転パターン):reversal pattern
株価が天井や底を打つ際によく出現します。パターン形成後はトレンドが反転しやすいフォルムです。
それぞれどのようなパターンがあるかを順に解説していきます。
コンティニュエーション・パターン
コンティニュエーション・パターンの代表的なパターンは下記の5パターンです。
●ボックス(box:箱)
●フラッグ(flag:旗)
●トライアングル(triangle:三角形)
●ペナント(pennant:細長い二等辺三角形の旗)
●ウェッジ(wedge:楔・くさび)
ボックス
レクタングル(rectangle:長方形)もほぼ同意です。
安値を結んだラインと高値を結んだラインが平行を保ちながら水平方向に推移していくパターンです。
フラッグ
安値を結んだラインと高値を結んだラインが旗のように平行状態を保ちながら斜め上方向もしくは斜め下方向に推移していくパターンです。(上記の図ではパターン前のトレンドとは反対方向にフラッグが形成されていますが、同一方向に形成される場合もあります。)
トライアングル
三角保ち合いも同意です。
安値を結んだラインと高値を結んだラインが三角形を描くように間隔を狭めながら収束していくパターンです。
下記の2パターンが代表的なトライアングルパターンです。
●アセンディングトライアングル:上昇トレンド局面に出現し安値を結んだラインは斜め上方向に高値を結んだラインは水平方向に推移していくパターンです。
●デセンディングトライアングル:下降トレンド局面に出現し安値を結んだラインは水平方向に高値を結んだラインは斜め下方向に推移していくパターンです。
安値を結んだラインが斜め上方向に高値を結んだラインが斜め下方向に推移していくパターンもトライアングルパターンの一種ですが、そのようなパターンは一般的には下記のペナントパターンに分類されています。
ペナント
安値を結んだラインは斜め上方向に高値を結んだラインは斜め下方向に三角形を描くように間隔を狭めながら収束していくパターンです。
ウェッジ
安値を結んだラインと高値を結んだラインが共に斜め上方向もしくは共に斜め下方向にくさびを描くように間隔を狭めながら収束していくパターンです。
上向きのウェッジが上昇ウェッジ、下向きのウェッジが下降ウェッジです。
下降トレンド後の上昇ウェッジや上昇トレンド後の下降ウェッジの出現は継続パターンとなる可能性が大ですが(図の左側)、高値圏での上昇トレンド後の上昇ウエッジの出現や安値圏での下降トレンド後の下降ウエッジの出現はトレンドの反転の兆しとなります(図の右側)。
リバーサル・パターン
トレンドの終焉に見られる代表的なパターンは
●シングルトップ・シングルボトム
●ダブルトップ・ダブルボトム
●ヘッドアンドショルダー・ヘッドアンドショルダーボトム
●ソーサートップ・ソーサーボトム
です。
シングルトップ・シングルボトム
シングルトップは高値圏で出現し急上昇後、急落していくパターンで、スパイクトップ、逆V字も同意です。
シングルボトムは安値圏で出現し急落後、急上昇していくパターンで、スパイクボトム、V字も同意です。
ダブルトップ・ダブルボトム
ダブルトップは高値をつけた株価が押し目を形成後、再上昇、前回の高値更新に挑むも売り圧力が強く下落、最終的に株価が下値支持線(ネックライン)を下に割り込んでいくパターンです。
ダブルボトムは安値をつけた株価が戻り目を形成後、再下落、前回の安値更新に挑むも買い圧力が強く上昇、最終的に株価が上値抵抗線(ネックライン)を上に突き抜けていくパターンです。
ヘッドアンドショルダー・ヘッドアンドショルダーボトム
ヘッドアンドショルダーは高値をつけた後、一旦押し目を形成、再上昇後高値更新にチャレンジし高値更新に成功しますが下落、ネックライン近辺で反発し上昇するも最初の高値近辺で抑え込まれて下落、最終的にネックラインを割り込んでいくパターンで、ヘッドアンドショルダートップ、三尊天井も同意です。
3つの山の高さがほぼ同じ場合はトリプルトップとも呼ばれます。
ヘッドアンドショルダーボトムは安値をつけた後、一旦戻り目を形成、再下降し安値更新にチャレンジし安値更新に成功しますが上昇、ネックライン近辺で戻され下降するも最初の安値近辺で反発されて上昇、最終的にネックラインを上に突き抜けていくパターンで、リバースヘッドアンドショルダー、逆三尊も同意です。
3つの谷の深さがほぼ同じ場合はトリプルボトムとも呼ばれます。
このパターンの出現はトレンド転換のサインとしてはかなり信頼度の高いものとなります。
ソーサートップ・ソーサーボトム
ソーサー(saucer)とは「受け皿」のことです。
ソーサートップは高値圏で出現し、受け皿を逆さにしたような緩やかな上凸の形状で価格が推移、プラットフォームと呼ばれる調整局面を経て、下降していくパターンで、ラウンドトップも同意です。
ソーサーボトムは安値圏で出現、受け皿の底のような緩やかな下凸の形状で価格が推移、プラットフォームと呼ばれる調整局面を経て、上昇していくパターンで、ラウンドボトムも同意です。
まとめ
図例のような典型的なパターン形状は実際のチャートではなかなか遭遇しませんので、なんとなく○○パターンに近いなくらいの認識で十分だと思います。
これらのパターンを利用した売買戦略としてはブレイクアウトした方向へエントリーする方法が一般的ですが、それを抑え込むことで利益につなげようとする勢力も存在しますから、当然「騙し」に遭遇してしまうこともあります。
そのような「騙し」のリスクを極力回避したい場合は、ブレイクアウト直後のエントリーは見送り、ブレイクアウト後の押し目や戻り目の形成を待ってエントリーします。
株価が天井や底を打った後や保ち合い相場の終了後は株価が大きく動く可能性が高いので大利を得るチャンスです。
せっかくのチャンスを逃さない為にも上記のような基本的なチャートパターンだけでも頭に入れておいてトレードに生かしていきましょう。