システムのパフォーマンス評価時に使用する項目の一覧です。
当サイトが独自に設定している項目もあります。
取引対象日
年間取引可能日数、通常は営業日日数
取引数
システムがシグナルを出した数
総損益=平均損益 × 取引数 ですから重要な指標の一つです。
取引率
取引数 ÷ 取引対象日 × 100
一応、寄引システムを想定したものです。
取引率100%で、かつ勝率やPORも高く、ドローダウンも抑制されたシステムが理想ですが、現実的にはなかなかそううまくはいきません。
勝てる可能性の高い局面はなかなか出現してくれません。法則性のない、トレードに適さない局面の方が圧倒的に多いというのが実情です。
ですから、
実戦運用に耐えうるシステムを作るためには、なにかしらのフィルターをかけて勝つ可能性の低いであろうトレードを極力回避しエントリーを厳選することでパフォーマンスを向上させていくことが必要不可欠となってきます。
その結果、取引率はどうしても下がってしまいますが、それはある程度仕方がないことだと思います。
総利益額
勝ちトレードで得られた利益額の合計
この段階では、商取引の「売上」に相当するものと捉えておいた方が実運用時のメンタルコントロールに役に立ちます。
総損失額
負けトレードで被った損失額の合計
上記と同様です。
商取引に例えれば、「コスト」に相当するものです。
総損益額
総利益額-総損失額
獲得可能最大利益
(終値 - 始値)の絶対値の合計
寄引システムの評価に使用する数値です。
フルにトレードした場合でかつ勝率100%の場合に得られるであろう利益です。当サイト独自の指標です。
獲得可能最大利益の内どれくらいを実質利益に出来ているかを見る事でシステムの質を判定しています。
勝率
勝ちトレード数 ÷ 取引数 × 100
勝率は一番ポピュラーな指標ですが、この指標単独ではシステムを評価できません。
ペイオフレシオ(POR)、取引数、ドローダウン等の他指標も合わせた総合的な判断が必要です。
いくら勝率が高くても、PORが低かったり取引数が少なければ高いパフォーマンスとはなりません。
平均損益
総損益額 ÷ 取引数
重要な指標の一つです。
プロフィットファクター(PF)
総利益額 ÷ 総損失額の絶対値
重要な指標の一つです。
評価対象期間が短ければかなり高い数値になることはありますが、評価対象期間が数年以上となると2.0超えのシステムを作ることはなかなか困難です。
ペイオフレシオ(POR)
(総利益額 ÷ 勝ちトレード数) ÷ (総損失額の絶対値 ÷ 負けトレード数)
重要な指標の一つです。
プロフィットレシオ、損益レシオ、損益率とも言われます。
FXでよく使われるリスクリワードレシオも同義です。
損益曲線
縦軸に総損益額、横軸に時間を取ったグラフ
ドローダウンの少ない滑らかな右肩上がりの曲線が理想です。
資産曲線やエクイティカーブも同義です。
こちらはシステムのマージンベースの損益曲線の一例です。↓
ドローダウン
直近の最大資産残高 - 資産残高 もしくは 資産残高 - 直近の最大資産残高
本サイトでは前者の式を採用してプラスで表現しています。
重要な指標の一つです。
システム運用はドローダウンとの戦いと言っても過言ではありません。
いくらリターンの大きなシステムでも、ドローダウンが過大であれば運用が困難となってしまいます。
シストレはきっちり運用出来てなんぼです。
システム開発の際は、リターンの大きさだけを追求するのではなく、ドローダウンの大きさも十分に考慮した上でパラメータを選定すべきです。
できれば、ドローダウンについては次のようなグラフにして視覚化した上で評価することをお勧めします。
年度ごとのドローダウンの推移が明確になりますし、
システムが相場に旨く対応できているか否かをイメージとしてつかみやすいかと思います。
実戦に突入すると日々ドローダウンとの戦いになりますから、常にグラフ化してチェックしておく必要があります。
このグラフ、リアルトレードに入るタイミングを決定する際にも役立ちます。
ある程度ドローダウンが発生している段階で参入するようにすることで、突入してすぐに大きなドローダウンに遭遇する確率を低減できます。
最大ドローダウン
期間中のドローダウンの最大値
重要な指標の一つです。
いかに総損益が大きなシステムでも、本指標が過大であれば資金ショートや精神的負担で運用継続が困難になる可能性が高くなります。
実戦においてはバックテストデータに存在しなかったような局面もかなり出現しますので実戦突入後すぐに最大ドローダウンを更新してしまうことも多々あります。
フラット期間
ドローダウンが発生してから、次に最大資産(最大利益)を更新するまでの期間
バックテスト段階のパフォーマンス評価において意識する項目は総損益額、勝率、取引数、PF、POR、平均損益、ドローダウン等で、フラット期間は軽視されがちです。
しかし、実戦に突入してみるとこのフラット期間におけるモチベーションの維持がシステム運用継続の重要なファクターとなる事に気づかされることになります。
フラット期間は1~2カ月は当たり前、半年以上出口の見えないトンネルの中を進むようなこともあります。
システム開発においては多少リターンを犠牲にすることになったとしても、可能な限りドローダウンの低減化とフラット期間の短期化を優先すべきです。
長期間に及ぶフラット期間はメンタル的に本当につらいものです。
利益効率
総損益額 ÷ 最大獲得可能利益 × 100
これは当サイトが勝手につけた名前です。
寄引システムの評価時に使用しています。
最大獲得可能利益のうち、どれくらい効率よく利益を切り取れているかを見ています。
最大連勝数
期間内の最大連勝数
最大連敗数
期間内の最大連敗数
最大勝ちトレード額
1トレードで勝った最大利益額
最大負けトレード額
1トレードで負けた最大損失額
まとめ
パフォーマンス評価においてはリターン関連指標の数値に目を奪われリスク関連指標の数値をないがしろにしがちですが、リスク関連指標の評価がいい加減なまま実戦に突入してしまうと必ずと言っていい程、運用中断を余儀なくされる事態に陥ってしまいます。
シストレは長期間運用を継続できてなんぼの世界です。
リスク関連指標の評価はより徹底的に厳正に行い、納得した上で本番に移行すべきです。