概要
考案したのはピーター・スタイドルマイヤー(J.PeterSteidlemayer)氏、日経225先物取引では人気のあるマーケット分析手法です。
時間帯ごとに約定された価格を表に記録し、その結果を分析して市場動向を予測します。
時間単位は30分か60分が一般的かと。
冒頭の画像は以前、エクセルで作成していた25日集積マーケットプロファイルです。
左サイドに25日分のローソク足(直近2日分は日単位のマーケットプロファイル表示)、ミドルにMAとピボット表示、右サイドが25日集積マーケットプロファイルです。
作成方法
まず最初に時間帯ごとのTPO(Time Price Opportunity)を
09:00~ A
09:30~ B
10:00~ C
10:30~ D
11:00~ E
11:30~ F
12:00~ G
12:30~ H
13:00~ I
13:30~ J
14:00~ K
14:30~ L
15:00~ M
のように決めておきます。
値動きが、
寄値10,100円、
09:00からの30分間の値幅が10,060円~10,100円、
09:30からの30分間の値幅が10,040円~10,090円、
~途中省略~
14:30からの30分間の値幅が10,150円~10,190円、
15:00からの30分間の値幅が10,090円~10,180円、
終値10,090円
だったとします。
次のような表(EXCELで作成しておくと便利。)を作成、時間帯ごとにTPOを表に記録していきます。
始値と終値を含むTPOはわかりやすいように小文字にしておきます。
9:00~ | 9:30~ | 10:00~ | 途中省略 | 14:00~ | 14:30~ | 15:00~ | |
10,200 | |||||||
10,190 | L | ||||||
10,180 | L | M | |||||
10,170 | K | L | M | ||||
10,160 | K | L | M | ||||
10,150 | K | L | M | ||||
10,140 | K | M | |||||
10,130 | C | K | M | ||||
10,120 | C | M | |||||
10,110 | C | M | |||||
10,100 | a | C | M | ||||
10,090 | A | B | C | m | |||
10,080 | A | B | C | ||||
10,070 | A | B | C | ||||
10,060 | A | B | C | ||||
10,050 | B | ||||||
10,040 | B | ||||||
10,030 | |||||||
10,020 | |||||||
10,010 | |||||||
10,000 |
EXCELであればCONCATENATE関数でTPOを連結すればマーケットプロファイルの完成です。↓
価格 | マーケットプロファイル |
10,200 | |
10,190 | L |
10,180 | LM |
10,170 | EKLM |
10,160 | EKLM |
10,150 | DEKLM |
10,140 | DEJKM |
10,130 | CDEJKM |
10,120 | CDEFJM |
10,110 | CDEFIJM |
10,100 | aCDEFIJM |
10,090 | ABCDEFGIJm |
10,080 | ABCEFGHI |
10,070 | ABCFGHI |
10,060 | ABCFG |
10,050 | B |
10,040 | B |
10,030 | |
10,020 | |
10,010 | |
10,000 |
マーケットプロファイル用語集
TPO(Time Price Opportunity)
プロファイルの最小単位となるアルファベットの記号。
モード(MODE)
プロファイルの中で最もTPOが積み上がった価格のことです。
複数ある場合は終値に近い方がモード。
取引参加者が最も意識した価格ということで、将来的に支持帯や抵抗帯になる可能性があります。
全てのTPOを持つモードをパーフェクトモードといいます。
イニシャルレンジ(Initial Range:IR)
最初の1時間でつけた価格帯。
30分単位であればTPOのAとBがついた価格帯。
IRイクステンション
IRが確定したあと、このレンジをブレイクすることをイクステンションと呼びます。
ターゲット
IRイクステンションでENTRYした場合の利益目標値。
計算方法はまずIR上限-IR下限で値幅を計算。
上方のターゲット=IR上限+値幅
下方のターゲット=IR下限-値幅
バリューエリア(Value Area:VA)
モードを中心とした全体のTPO数の約70%(正確には標準偏差1σ、68.26%)を占める価格帯を示します。
シングルプリント(Single Print)
TPOが1文字だけの価格帯。
マーケットに避けられた価格ということで、以下で記述している極値、テール、レッジは将来的に支持帯、抵抗帯になる可能性があります。
極値(Extream)
上端と下端の双方にシングルプリントの価格帯が2つ以上あった場合、それぞれの価格帯は極値と呼ばれます。
テール(Tail)
上端または下端のいずれかにシングルプリントの価格帯が2つ以上あった場合、その価格帯をテール言います。
レッジ(Leadge)
両端を除くシングルプリントの価格帯がレッジです。
TPOカウント
MODEの上方のTPO数と下方のTPO数を数え(注)比較することで、買い優勢か売り優勢かを判断します。
(注)MODEおよび上下両端のシングルプリントはカウントしません。
まとめ
エクセルのマクロ(またはVBA)を使えば、30分足や60足の4本値のヒストリカルデータを使用して、冒頭のようなマーケットプロファイル表が自動生成可能です。
運営者も裁量デイトレでの武器になるかと思い、自動作成してトレードの参考にしていた時期があったのですが、有効性については疑問を感じています。
単純にサポート&レジスタンスラインとトレンドラインを引いたチャートの方が使えるかな、ということで現在は作成していません。