ここでは日経225先物取引のメリットとデメリットについてみていきたいと思います。
メリット
日経225先物は下記のような優位性を有する魅力的な商品です。
・銘柄を選択する手間がかからない
・流動性リスクが低い(流動性が高い)
・ボラティリティが大きい
・「売り」から入れるので相場の下降局面でも利益を得られる
・レバレッジを効かせることができるので資金効率の良い取引が可能
・夜間でも取引が可能
・時系列データの取得が容易
順にみていきましょう。
銘柄を選択する手間がかからない
日本取引所グループには数多くの銘柄が上場されています。
個別株取引の場合はこの中から有望株を探し出さなければなりません。
ファンダメンタルやテクニカルをきっちり分析し、手間暇かけて大きな成果を上げていらっしゃる投資家の方も多いかとは思います。
しかし、かなり根気を要する作業です。
その作業自体を楽しめないとなかなか続かない手法です。
その点、日経225先物であればその辺の手間は全く要りません。
ただただ上がるか下がるかを予測すればいいだけです。
と言ってもそこが難しいのですが、、、
流動性リスクが低い(流動性が高い)
流動性リスクとは、
取引時に生じる買いたい時に買えない、売れたい時に売れない、売買できても約定価格が大きく変動してしまう等のリスクです。
流動性リスクが高いと安定したパフォーマンスを維持することが困難になってしまいます。
その点、225先物取引は参加者も多く流動性リスクはかなり低い商品です。
ボラティリテイが大きい
当たり前のことですが、価格が変動してくれなければ利益を上げられません。
どのような商品でもトレンドレスでほとんど変動しない時期はありますが、平均すれば225先物の変動率はかなり高めです。
「売り」から入れるので相場の下降局面でも利益が得られる
株価が右肩上がりで上がり続けてくれるのであれば現物株を保有するだけで利益を上げられるわけですが、相場には必ず下降期が出現します。
となると「売り」から入るという武器は是非とも持っておく必要があります。
株でも信用取引であれば「売り」から入れますが、銘柄選択の手間は現物と変りません。
貸株料(注1)が取られ、逆日歩(ぎゃくひぶ)(注2)が発生する可能性もありますのでなにかと面倒です。
その点、日経225先物取引であれば「買い」から入る場合でも「売り」から入る場合でもコストは変わりません。
(注1)
信用取引で「売り」から入る場合は、証券会社から株を借りてそれを売ることになりますのでその利用料として請求されるコストです。
(注2)
信用取引では買い建てをした方は買い方金利を払い、売り建てをした方は売り方金利を受け取る仕組みになっています。
ところが売り方の建玉が買い方の建玉を上回ってしまうと逆に売り方は買い方に日歩を支払わなければならないルールに
なっています。
レバレッジを効かせることができるので資金効率の良い取引が可能
日経225先物取引は証拠金取引です。
例えば、
225先物ミニの価格が20,000円、
225先物ミニの証拠金が100,000円という前提で、
ミニ1枚を20,000円で買って、20,100円で売ったとします。
ミニの取引単位は価格の100倍ですので、
取引額としてみると20,000円×100=2,000,000円の商品を購入し、
20,100円×100=2,010,000円で売ったことになります。
証拠金として100,000円を拠出するだけで、
200万の商品の売買が可能となり、
結果、10,000円の利益を得られたわけです。
レバレッジ効果で少ない資金で効率の良い取引が可能となっています。
但し、レバレッジは諸刃の剣です。
リスクマネジメントを誤るとあっという間に証拠金は消え去ってしまいますので要注意です。
夜間でも取引が可能
現在、ナイトセッションの取引時間は翌5:30(追記:20210921より6:00)まで延長されています。
以前と比べるとナイトセッションもかなり成熟してきました。
取引量もかなり増え価格変動も大きく、昼間に仕事を持たれている方でも帰宅後に取引に参戦できます。
個別株を保有されている場合のリスクヘッジとしても使えます。
連続性に問題のない時系列データの取得が容易
システムトレーダーにとっては大きなメリットです。
日足であれば上場来のデータが手軽に手に入ります。
分足レベルでも過去10年分位のデータであれば無料で手に入れられるサイトがいくつかあります。
(当サイトでもダウンロード可能です。)
個別株の過去データの場合、
分割等で価格が大きく変動してしまっている場合があり、シストレで過去データとして使用する際にはその点を考慮しなければなりません。
225先物であればそのような問題は発生しません。
デメリット
デメリットはあまり思い浮かばないのですが、
日経225先物に限らず単一商品をターゲットにしたトレード全般ということで強いて挙げれば、、、
投資額が巨額になるとどうしてもパフォーマンスは低下してしまう
メリットのところで流動性の高さを上げていますが、一回の投資額が巨額になってくると自分自身で約定価格を上げてしまうようなことも発生します。
その結果、どうしてもパフォーマンスは低下してしまいます。
トレンドレス局面が長期化してしまうと利益を上げる事が難しくなってしまう
ターゲットの動きがなければ利益を上げようがありません。
相場は低迷期~上昇期~プラトー期(天井期)~下降期という流れが繰り返されます。
特に低迷期やプラトー期の場合、極端なトレンドレス局面が発生しやすくなります。
個別株も同様ですが、大型株の動きがなければ中小株や新興市場が堅調だったりしますから個別株ターゲットの場合は対象を切り替えることである程度対処が可能です。
この問題に対処するためにも、
日経225先物だけでなくFXやCFD等についても学んで戦える武器を増やしておきたいところです。
まとめ
以上、225先物取引、
若干のデメリットを有しているもののシストレのターゲットとしては理想に近い商品であることをご理解いただけたでしょうか?
デメリットには挙げませんでしたが、225先物取引に限らず証拠金取引の場合、過度のレバレッジによるリスクも存在します。
当然、利益だけでなく損失にもレバレッジがかかるわけですから、過度にレバレッジをかけ過ぎると短期間で投資資金を失って市場から撤退せざるを得なくなります。
そうならないためには、徹底したリスクマネジメントが必要不可欠です。
例えば投資枚数、
ドローダウンを〇〇%に抑えるためには一回の投資額は口座の○○%以内にしなければならないかを事前にシミレーションした上で投資枚数を決定していく必要があります。
この2つの鉄則だけは遵守して225先物取引を楽しんでいただければと思います。