悪戦苦闘の末、システムをなんとか作り上げ、バックテスト、資金管理シミレーション等の結果も納得できるものだったとします。
さあ、あとは胸をワクワクさせての本番移行という流れになるわけですが、、、
その際、考慮しておいた方がいいことの一つにシストレの本番開始時期をいつにするのかという点があります。
マーケットには市場参加者の多寡や決算がらみ等の要因でトレンドが発生し易い時期、閑散としてトレンドレスな時期、情報に敏感になって荒れやすい時期等が存在します。
どんなに優れたシステムを採用したとしても勝てる確率が低い時期に本番移行してしまうと初動で大きなドローダウンに遭遇してしまい運用断念という結果を招きかねません。
まあ時期を選んだとしてもやられる時はやられてしまいますが、より適正な時期を選択して本番に移行した方が初動での運用中断のリスクを多少なりとも軽減させることができます。
ということで、
ここでは本番はどの時期から開始するのがベストなのか、スタート時期として避けた方がいい時期はいつ頃なのかという点についてさらっとみていきたいと思います。
結論からいきます。
あくまでも私見ですが、
四半期単位で見る場合でしたら、
一番のお薦めは10月から、
あまりお薦めできないのが1月からです。
4月からと6月からはニュートラル。
その根拠ですが、、、
その前に下記の表とグラフを見て頂きたいと思います。
運用中の3システムの2012年から2021年までの月別損益表とそのグラフ、そして月別損益額ランキング表です。
平均 | DUD | ALA | WMS | |
1月 | 3745 | 3870 | 875 | 6490 |
2月 | 2912 | 2930 | -10 | 5815 |
3月 | 1257 | 615 | 4235 | -1080 |
4月 | 1763 | 990 | 1630 | 2670 |
5月 | 3022 | 1655 | 2360 | 5050 |
6月 | 3240 | 4100 | 3705 | 1915 |
7月 | 3198 | 2325 | 3065 | 4205 |
8月 | 2203 | 1700 | 3270 | 1640 |
9月 | 3017 | 2755 | 3025 | 3270 |
10月 | 3937 | 3765 | 4690 | 3355 |
11月 | 3550 | 2960 | 2920 | 4770 |
12月 | 1760 | 870 | 1930 | 2480 |
ランキング | 月 | 平均 |
1 | 3月 | 1257 |
2 | 12月 | 1760 |
3 | 4月 | 1763 |
4 | 8月 | 2203 |
5 | 2月 | 2912 |
6 | 9月 | 3017 |
7 | 5月 | 3022 |
8 | 7月 | 3198 |
9 | 6月 | 3240 |
10 | 11月 | 3550 |
11 | 1月 | 3745 |
12 | 10月 | 3937 |
対象システムや集計期間によって当然差異は出てしまいますが、個人的にはこの月別損益はある程度一般的な傾向を捉えていると思いますし、肌感覚に近い気がします。
一番のお薦めの10月からですが、10月、11月は比較的安定したトレンドが発生し易く、シストレのスタートには一番適した時期です。
月別損益表を見ても3システム共パフォーマンスは良好。
12月は市場参加者が徐々に少なくなりボラも減少ということで利益を上げにくい月ですが、大きく荒れることも少なく、初動である程度の利益を積み上げておくことができればメンタル的には比較的楽にやり過ごせるのではないかと思います。
一番、難しいと思われるのが1月からです。
区切りがいいということで年初から運用開始というケースも多いかと思いますが、結構つまづき易いスタート時期です。
1月はご祝儀相場等でシンプルなトレンドが発生し易く比較的利益を上げやすいのですが、問題なのは2月後半から3月にかけてです。
この時期は決算への思惑絡みで荒れた相場になり易くシストレには一番不向きな時期、敢えて、選択する時期ではないと思います。
4月スタートの場合は、
4月は2月、3月の荒れた値動きの影響が残り難しい月になりがちですが、5月位からは徐々に安定した値動きになっていきますので、判断としてニュートラル。
7月スタートの場合は、
相場としては全体的に荒れることが少ない時期ですので大きなドローダウンに巻きこまれる可能性は低いのですが、8月が夏枯れで閑散相場となり難しくなることもありますので、判断としてはニュートラルとしておきます。
月単位で見た場合は、ランキング表を見れば一目瞭然ですが、3月、4月、8月、12月のスタートは避けておいた方が無難です。
以上、シストレの本番移行時期はいつから適切なのかという点を簡単に考察してみました。
当然、システムタイプ等によっても利益を上げやすい月等は異なってきますから上記の判定が正解かどうかはわかりませんが、ある程度の傾向性はあるのではないかと思っています。
本番移行前には運用システムの月別損益を検討し、得意としている時期から運用を開始することで初動での運用中断の確率を少しでも減らして長期運用継続を目指していただけたらと思います。